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独自の製造方法について

■独自の製造方法 手造り本鍛造について

当店では創業当時より、刀鍛冶の伝統製法を受け継ぐ和庖丁の製造技術「火造り鍛造」を堅く守りつつ、当時にはかなり稀であった技師の海外派遣により洋包丁 及び機械刃物の製造技術をいち早く取得、導入しました。
そして和洋双方の特性を生かした独自の鍛造製法を開発し完成させたことにより、多くの特殊刃物の製造に成功、同時に関東における洋包丁(牛刀類)の急速な 普及に尽力しました。

100年余の歳月を経て、洋包丁のほとんどが機械による大量生産(板状の鋼材を庖丁の形に型抜きして切り出し、丸ごと焼入れし研磨する「丸焼き」という方 法)となった現在でも、火造り本鍛造による、型を使わずに成形する手造り製法を守っています。

素材が本来持っている“力”を最大限引き出すため、成形前の段階から丹念な鍛造により鋼を鍛え上げることに始まり、わら灰を用いてじっくり焼き戻しをする などの古来からの伝統製法に加え、独自に開発した特殊な工程を幾種も経て、一丁一丁を丁寧な手作業で造り上げます。

こうした作業を施すことで素材である鉄の分子がきめ細かく整い(欠けにくい)、硬度(切れ味)、靭性(ねばり)、耐摩耗性(長切れ)、耐疲労性(へた り)、耐蝕性(サビにくさ)等々において、鉄板を型で抜き丸焼きした包丁とは格段に違う切れ味となります。

大変時間と手間のかかる作業ではありますが、全ての工程にはそれぞれ重要な意味があり、これを護ることによって漸く、切れ味良く欠けにくく長切れして傷み にくい、呼吸をする≪活きた包丁≫の完成に至ります。

その特性を最大限に生かす使用法として、冷凍食材への対応が挙げられます。
包丁自体を数分間冷凍庫で冷却し、食材と同じ温度まで下げることにより冷凍食材への使用が可能になっております。
またその内部分子の細かさから、食材に鋼の匂いがつきにくく、包丁に食材の脂がつきにくいことも特長のひとつです。

素材を加熱し叩いて練って打ち上げる、“鋼を鍛える”からこその切れ味とコシの強さ、手造り本鍛造の威力をご実感下さい。


鋼材について

●和包丁(使用鋼材)
和包丁に使われている安来鋼は島根県出雲地方にある日立金属株式会社安来工場で生産されている鋼です。
島根県出雲地方は良質な砂鉄の産出地で、古くから「たたら製鉄法」によって造られる玉鋼の産地として有名です。日本刀などの良質な刃物素材として玉鋼は使用されており、現在では貴重で非常に良質な刃物鋼として知られています。
 安来鋼はこういった玉鋼の伝統的製法技術を受け継ぎ生産されたもので、高品質な刃物に適した炭素鋼として昔から料理庖丁に使われてきました。黄紙、白紙、青紙などの名称があり、この名称は種類の区別のために付けられている色紙に因むと云われています。


◆白紙(白鋼)
 白紙は昔から庖丁に使われてきた鋼材であり、リンやイオウなどの不純物を極力低減させた純粋な炭素鋼です。
炭素の含有率により白紙一号、白紙二号、白紙三号と区別され、白紙一号に上がるにつれ炭素量が増し、刃の硬度(切れ味)や耐摩耗性(長切れ)に影響してきます。
また、鍛造、焼き入れを施すことにより鋼に粘りと硬さを出すことができます。
当店ではより良質な庖丁をご提供させていただくため白紙一号、白紙二号のみを使用しています。

◆青紙(青鋼)
青紙は、白紙を元にタングステンやクロムなどを添加して、熱処理特性や耐摩耗性を改善させた鋼材です。
非常に切れ味もよく、長切れのする鋼材です。
炭素の含有率などにより青紙スーパー、青紙一号、青紙二号、と区別され、青紙一号、青紙スーパーに上がるにつれ炭素量が増し、刃の硬度(切れ味)や耐摩耗性(長切れ)に影響してきます。
また、鍛造、焼き入れを施すことにより鋼に粘りと硬さを出すことができます。
炭素、クロームの含有量をさらに改良した青紙スーパーは安来鋼の中で最高峰のものとされており、特に硬度や耐摩耗性に優れ、非常に長切れする最高峰の鋼材と云われています。

◆銀紙
銀紙系はクロム含有率の高いサビに強いステンレス鋼です。
炭素やクロムの含有率により、銀五、銀三、銀一などの区別があり、その中でも銀三は炭素量が多く、硬さが増し切れ味が良く出るため、良質な庖丁に適した鋼材であると云われています。
お酢など酸の強い食材を扱う場でよく使用されています。

◆V金10号
武生特殊鋼材株式会社で開発されたステンレス鋼です。
V金はクロムを多く含んだサビに強いステンレス鋼です。
炭素、クロムなどの含有率によりV金1、2、5、7、8、10号、V金特、金2と区別されます。
中でもV金10号は炭素、クロム含有量が多く、そこに脱炭を防ぐためのコバルトが添加された硬度が高く研削性に優れた鋼材です。サビずに切れ味がよく、非常に長切れします。
普及している和包丁のサビない鋼材の中では最高のものと云われています。

◆オリジナル特殊鋼「光」「特上光」
当店オリジナル特殊鋼は和包丁にも使用されています。
(特殊鋼についてはこちらをご参照ください。)
焼き入れに油を使うか水を使うかの違いがありますが、製造工程は本焼きと同じく素材から鍛造して焼き入れを施した火造り本鍛造のサビに強い一枚鋼となっています。
独自の製法により抜群の切れ味があり、非常に長切れするよう仕上げています、さらに非常にコシが強く、地鉄がない分非常に軽くできています。

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こういった庖丁に使用されている鋼材は、同じものでも鍛造や焼き入れの工程内で加減することにより、硬さや粘りなどを調整することができます。


●洋包丁(使用鋼材)
一般的な洋包丁は、板状の鋼材をプレスで抜いたものに焼きを入れ、研磨しただけのものがほとんどです。
当店はそういった単純な型抜きではなく、鋼材を独自の技法で丹念に火造り鍛造を施した一枚鋼の製品を造っています。
加熱燃料や焼き入れの油などにもこだわり、包丁内部の分子構造が微細化するまで一丁一丁素材から丹念に火造り鍛造、特殊な焼き入れ、焼き戻しを施しているため、硬く粘りのある力強い刃が出来上がります。
そのため非常に切れ味良く、欠けにくく長切れする包丁に仕上がっています。
そして一枚鋼のため、使い込んで刀身が細くなったとしても切れ味が変わることなく、長い期間に亘ってご利用いただけます。

◆全鋼
純粋な炭素鋼(日本鋼)を一丁一丁素材の段階から丹念な鍛造、焼き入れを施す手造り本鍛造で仕上げています。
炭素鋼はサビが出やすいため、取り扱いには十分ご注意ください。

◆特上鋼
純粋な炭素鋼(安来鋼)を一丁一丁素材の段階から丹念な鍛造、焼き入れを施す手造り本鍛造で仕上げています。
全鋼よりも切れ味が上がり、長切れするようになっています。
炭素鋼はサビが出やすいため、取り扱いには十分ご注意ください。

◆極上鋼
和包丁に使用される白紙二号鋼を使用しています。群を抜く切れ味と耐摩耗性を持っており、非常に長く鋭い切れ味が持続します。
炭素鋼はサビが出やすいため、取り扱いには十分ご注意ください。

◆オリジナル特殊鋼 光・特上光
オリジナル特殊鋼「光」「特上光」は当店独自の製法技術で造られたサビに強いオリジナル特殊鋼です。
非常に切れ味良く、欠けにくく長切れし尚且つサビにも強いという特色があります。
サビに強いステンレス系の鋼材でも、丹念に火造り鍛造をし手間をかけて造ることで炭素鋼に劣らぬ切れ味が実現しました。
また、特殊な製法のため、冷凍庫で3〜5分冷すことで冷凍の食材への使用も可能となっています。
※普段使いでサビが発生することはほとんどありませんが、長時間の異種金属との接触や水分、塩、酸などの付着は特殊鋼であってもサビが発生する恐れがあります。取り扱いにはご注意ください。

◆粉末ハイス鋼
ハイス鋼と呼ばれる高速度鋼は元々ドリルやエンドミルなどの工具鋼として開発されたもので、鋼にクロム、タングステン、モリブデン、バナジウムといった金属を添加した耐衝撃性、摩耗性、耐熱に優れたステンレス系の鋼材です。
なかでも粉末ハイス鋼と呼ばれるものは、鋼材内部組織の微細化を図った粉末冶金法という製法で造られています。粉末状の鋼材を焼き固める粉末冶金法で造られたハイス鋼は、通常のステンレス系鋼材に比べムラができにくく硬度も出せるため、普及している洋包丁のステンレス系の鋼材の中では最高峰のものと云われています。
刃は耐熱性が強く非常に硬く仕上がるため、切れ味も非常に鋭く長切れしますが、その分研ぎづらさも出てきます。


オリジナルオーダーメード

■別誂え完全オリジナルオーダーメイド

当店では和庖丁・洋包丁を問わず一丁づつ本鍛造による手造り製法を守っております。
抜き型を使用せず、鋼材を赤めては打ち出し手作業で包丁の形に成形していくので、どんな形でも自由自在に製造できます。
また、使用鋼材についても炭素鋼、特殊鋼とも各々数種を揃え、ご用途やご予算によってお客様とご相談しながら決めていきます。

※炭素鋼=鋼のみ 一枚鋼 3種
※特殊鋼=鋼にステンレス製の鋼材数種を独自に配合 一枚鋼 3種


素材(鋼材)、形状の選定から焼き入れの加減等による硬度、仕上げに至るまでの各工程において、詳細かつ幅広いご要望にお応えできる、一丁からの別誂え (完全オリジナルオーダーメイド)を承っております。

既製の包丁で一点でもご納得がいかない、何かを妥協してお使いになっている、とおっしゃるお客様には、是非とも一度当店の別誂えをお試し頂きくご案内申し 上げます 。
和庖丁と洋包丁、双方の優れた面を活かすことに成功した独自の製法「手造り本鍛造」の切れ味をご実感頂けることと存じます。

お見積りは無料です。
どうぞお気軽にお問い合わせください。